Sakiko のアメリカ暮らし徒然記:仕事、遊び、文化

6/27/2005

オルガン コンサート

Filed under: - admin @ 7:33 am

今週末は、バッハ全曲を総なめしたパイプオルガンのコンサートが、ここから車で30分ほど北へ行ったベンチュラにある教会で3日間続けて行われている。私たちは、土曜の夜に行くことに。ここを7時過ぎに出て8時少々前に教会に到着。オルガン演奏者(オルガニスト)が次々にステージへと上がり、プログラムに沿ってバッハの曲を次から次へと演奏していく。
3人目のオルガニストが演奏している最中のこと。ヨボヨボのおじいちゃんが手すりを支えにしてノロノロとステージへと上がってきた :shock:。なめくじのような動きで、ゆっくりと傾斜した通路をステージに向けて歩いていく姿は、かなり神秘的でもあった。魂がもうほとんど消えかけているようにも、私には見えた。オルガンの演奏を一方で聞きながらも、そのおじいちゃんのことが気になっていた。おじいちゃん頭がおかしくなっちゃったのかなぁ、などと勝手に考えたりしたりもした。演奏が終わるころにはやっとステージ脇の椅子にちょこんと腰を下ろすことができたおじいちゃん。私もほっと一息 :-D

オルガンの方だが、最初の何人かの演奏者はちょっぴりいまいちで、パイプ調整がうまくないのか、すべての音が混ざって汚く聞こえていた。5人目あたりだったか、Prelude and Fugue in C Major を演奏したオルガニストは最高で、ちょっぴり感激。そのあと、ちょっと休憩があり、プログラムを見てみたら、Bob Mitchell とある。最初の曲は私も大好きな Fugue in G Minor。そろそろ9時になろうとしていたので、その1曲だけを聴いて帰ろうということに。
雑談をしているうちに、演奏が聞こえてきた。もう始まったんだ、と目をステージに向けてみると、何と例のおじいちゃんがオルガンの前にちょこんと腰を下ろして演奏しているではないか!! オルガンの音色は抜群。おまけにとことん独創的な演奏を聞かせてくれる。驚きと感激とで、涙が出てきたほどでした。あまりに感激したので、1曲だけでなくおじいちゃんの演奏をすべて聞いてしまいました。演奏が終わると、全客スタンディングオベーションで、またまた涙が出るほど感激してしまった。
このおじいちゃん、1924年生まれ。12歳の若さでサイレントムービーのバック演奏者としてデビューしたそうだ。60年代には LA Dodgers のオルガニストとして従事し、その後もあらゆる場面で活躍し、つい最近もここ West Hollywood にあるサインレントムビーシアターでオルガンを演奏しているようだ。ある記事で、彼はこんなことをコメントしている。「練習を1日でもサボれば、自分でその差が見える」「練習をサボり続ければ、お客さんにもその差が見えてしまう」
Bob Mitchell に興味のある方は、こちらの記事をご覧ください。

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