2002年7月29日 --- カナダ、アルバータ州
エドモントンからジャスパー経由でバンフまで
1. ジャスパー
出発の朝、エドモントンはやっぱり曇り空でした。私たちは朝早くに荷造りをし、朝 9 時頃にエドモントンを出発。今夜の宿泊予定はバンフです。
今日のルートは、エドモントンの西南に位置するジャスパー国立公園を通り、バンフ国立公園に入るというもの。
ジャスパーまでの道のりは、国道16号線を一直線。エドモントンからは 350km のところにあります。限りなく続く真っ直ぐな道の先に美しい山々の姿が見えたのは、エドモントンを出て
2 時間半ほどが過ぎた頃でした。ジャスパーまであと1時間、といったところでしょう。
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エドモントンから国道16号でジャスパーまで
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空には壮大な山々を天から覆い尽くすかのような灰色の雲が広がり、その空の先に明るい輝きが見える。この先楽しい何かが私たちを待っているかのようでした。
ジャスパー近くになると、道の脇に、ビッグホーン・シープの群れを見ることができました。季節によっては、エルクなどもお目見えするとか。
雲が山々を覆って幻想的
エドモントンを出て約 3 時間半後、 ジャスパーに到着。予想していたとおり、ジャスパーにはかすかですが太陽の光が降り注いでいました。
標高 1,067m のジャスパーの町自体は人口約 5,000 人ほど、と大変小さくこじんまりとしています。
この町は鉄道駅として始まり、現在もバンクーバーやプリンス・ルパートと東部カナダを結ぶVIA鉄道の中継駅になっています。
メイン街は、VIA鉄道と平行して走る Connaught 通りと、そこから枝分かれるサイドストリートで成っています。町のどこからもジャスパー国立公園のほこる壮大な山々を望むことができます。
この町も観光地として成り立っているわけですが、バンフなどに比べると、素朴さがまだまだ感じられる町です。人ごみを避けたい人にはお勧めです。
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ジャスパー国立公園の情報を得たい方は、Connaught 通りに面したインフォメーションセンターへ足を運びましょう。1914
年に建てられた建物も見所です。 |
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2. アサバスカ滝
私たちは、バンフまでの道のりを考え、ジャスパーの町ではお昼を簡単にとっただけで、そそくさと車で国立公園をバンフへと向けて南下することにしました。
ジャスパーからは国道 93A 号を南下。この道路の脇にはいくつもの見所が存在します。
私たちは、ジャスパーから 30km ほどのところに位置するアサバスカ滝で一休みすることにしました。
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アサバスカ川は、背景に壮大な山々を移す川幅およそ100mほどの穏やかな川。
その穏やかな水が狭谷へと吸い込まれるようにして水煙と轟音を立てながら落ちていく様子は、何ともいえない凄まじさです。周りのすべてをも奪ってしまうほどの危ない水へと変貌します。
濁流はうねり、周りの岩肌で砕け、岩を削り、そしてまだ穏やかな川へと変化していきます。 最近この川で水難事故があったとの看板を見て、滝のそばでは足がすくむ思いでした。
この滝に足を滑らせたら助かる術はないでしょう。
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3. コロンビア・アイスフィールド (大氷原)
アサバスカ滝を後にした私たちは、次の目的地コロンビア・アイスフィールド (大氷原) まで車を走らせました。
コロンビア・アイスフィールドは、ジャスパー国立公園の最南端に位置します。そこを越すとバンフ国立公園になります。
コロンビア・アイスフィールドまでの途中の道では、キャンバスに描いたような平面的な岩々を楽しむことができます。
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アサバスカから約 45 分。右手に広大なアイスフィールドが広がるのが見えてきます。道路を挟んだ反対側には、1996年にできたばかりのアイスフィールド・センターの建物も見えます。
325平方メートルの面積を持つコロンビア・アイスフィールドは、2 万年前にカナダを覆い尽くした氷河の残りと言われます。
コロンビア・アイスフィールドの中でも一番手前に位置し、道路からも眺めることができるのが、アサバスカ・アイスフィールドです。
アサバスカ・アイスフィールドまではツアーバスが出ており、チケットはアイスフィールド・センターで購入することができます。
かなり人気があるので、興味のある人は展示物を見る前にチケットを購入し、待ち時間を利用してセンター内の展示物を見ることをお勧めします。
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4. ルイーズ湖
アイスフィールド・センターで時間を費やしすぎた私たちはバンフまでの道のりを考慮し、大氷原までのツアーはスキップし、次の目的地のルイーズ湖までと車を進めました。
ルイーズ湖までは、約 130km。制限速度 90km の道を走り、約 1.5 時間かかります。
宝石のような青緑色の水面のルイーズ湖は、夏には 1 日で 1 万人もの観光客が訪れるといわれている人気スポットです。
長さ 2.4km、幅 500m、水深 90m のこの湖の水温は、夏でも 4 度にしか上がらないほど冷たいということです。
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湖の背後には標高 3,459m のビクトリア山 (Mt.Victoria) がそびえ立ち、ビクトリア氷河 (Victoria
Glacier) を見ることができます。
その日はあいにく曇り空でしたが、晴天の日に見るビクトリア山とルイーズ湖は、世界世界十大絶景のひとつとも呼ばれています。
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残念なのは、シャトー・レイクルイーズでしょうか。100 年の歴史を持つホテルですが、どうやら、バンフへの人の流れを緩和するために増築が続けられたようで、ディズニーランドのお城を彷彿させるような佇まい。また、あまりに湖に隣接して建てられてしまったんですね
(まあ、それが売りなんでしょうが...)。うーーん。
近くには日帰りで楽しめるハイキング用の道がいくつもあるようです。ビクロリア山への登山を躊躇される方でも、ハイキングは十分に楽しめるでしょう。
私たちは、寒さを絶えてしばらく湖畔のベンチからルイーズ湖と壮大なビクトリア山をボーっと眺め、バンフへの道を進みました。
ルイーズ湖からバンフまではものの 20 分ほどで到着。 時計は 6 時を回っていましたが、カナダの夏は明るく、夕暮れまでにはまだまだ余裕があるようでした。
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